DEAR 1st SEASON




「ごめん…

本当にごめん─…」




「───…」




ボロボロと涙が頬を伝う。



怒っているのに泣いてしまう自分がもどかしい。



そんな自分によけいに腹が立つ…。





──…でも。



別れないで。



一人にしないで。



置いてきぼりにしないで。



突き放したりしないで。





「───…ふ……っ」





泣き喚いて怒鳴りたいのに言葉にならない。



邪魔なんて言わないで。





──…ギュッとぶんちゃんの服を掴む。






「……抱いて……」






そのままぶんちゃんを求めた。



全部が欲しかった。



寂しくてたまらなかった。




繋いだ手をいつまでもいつまでも離したくなかった。





「───…彩……」





そう名前を呼ばれながら──…



歪む視界から、あなたを見つめていた。





ずっと。




ずっと───…。


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