DEAR 1st SEASON


───それから数ヵ月。



時間が経つに連れ、急速にメールも電話もなくなった。



目には、亮と違う女の人が歩いてる姿。


耳には、絶え間なく入ってくる亮と違う女の話。




───…やけに亮が遠くなっていく。



けれど、亮は連絡をつけてくる。



──…そう、自分が寂しくなった時だけ。



……以来、ずっと亮とはこんな関係が続いて──…





「───ズルズル来てるって訳だ?」



「……うん、そう。」




───…ナナに返事をして、あたしはようやく中学時代の思い出から帰ってきた。




「……だからね、彼氏でもないし……

どう説明したらいいか分からないんだけどね…」



「うーん、そっか。


…ま、彼氏じゃないことは確かだわな。」



「……うん。」



「……まぁ無視しとけばそのうち諦めるんじゃない?

高校も別々になったんだしさぁ。」



「……うん……。」




───そうだな……。



亮の性格をあたしより知りつくしたようなナナ。



“そうだね、もう無視しとけばいいよね。”




───…確かにそう思っていたのに……。



どうして………



亮に流されてしまったんだろうね……



ナナの言う通りにしていれば……




あんなことにはならなかったかもしれないのにね………。

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