DEAR 1st SEASON




──パタン。




ぶんちゃんは振り返る事なく扉を閉めた。






「───……っく…」






涙が限界を超えた。




次から次へと溢れる涙は本当に限界を知らない。




分かってたでしょう?




覚悟していたでしょう?




だから思い出も捨てるつもりでいたんでしょう?





ぐしゃぐしゃになった部屋に一人。




本当に、一人。






ふと、ぶんちゃんが先程噛みついた手首に目がいった。





「………」





手首には、傷跡にくっきりとキスマークが残されていた。






「───…何もかも終わらせるつもりなら……






跡なんて……





残さないでよぉ───…っ」







泣きながら、そっと手首にキスを返した。








「──…さよなら…」








20**12月20日。






あたし達は恋人という形に終止符を打った。






サンタからの──…







罪を償えというクリスマスプレゼントだった




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