DEAR 1st SEASON




───…ドクン…。




卒業式…




ぶんちゃん達が……




卒業する。





もう…………



そんな時期なんだ──…?






「えー、三年生の卒業式についてだが、在校生が出席するには卒業式許可証がいる。



出席したいと思ってるやつは今から手を挙げなさい。」






─────……。





先生の声を聞いて、クラスメートがポツポツと手を挙げ始める。





………どうしよう……





もし……



出席していて嫌な顔されたら……?






「───彩!」




突然ナナがくるりと振り向き、そう叫んだ。





「……え……?」







「彩、いいの?




これで最後なんだよ?




この機会逃して彩は一生後悔しない?」






………………。





最……後……。




これで…




最後──……。





でも…………




それでもさっきの迷いはなかなか拭えない。






「…………」






「もう出席したいやつはいないかー?」





先生の声が、再度教室に響く。





先生はリストアップした名前を数え、手帳を下ろした。







「~~~~~っ!」





それを見たナナが声にならない叫びを上げ──……







「桜井彩!笹原ナナ!




出席します!!」






そう………




叫んだんだ──…。

 


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