DEAR 1st SEASON



「──…桜井と笹原だな。」





先生はもう一度手帳を開き、あたし達の名前をしっかりと記入した。




ビックリして顔を上げ、言葉が出ずにナナを見つめる。





「──…ナナ……?」





「…ナナは…


イヤだよ…………



彩が後悔して泣く姿見るのだけは絶対嫌だからね─…!」






「………ナナ………」





ナナは怒って、そのまま前を向いてしまった。





ナナ……


ナナ……





ほんと……




どこまで優しいの……?




絡まる気持ちが邪魔してうまく言葉にならない。





ありがとう。



本当にありがとう。






卒業式。



あなたがこの学校からいなくなる、旅立ちの日。






…ちゃんと出席しよう。



卒業するんだ。





あたしも。




あなたから───…



 
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