DEAR 1st SEASON






───…2月21日。





今日はあたしの誕生日だ。






「彩ー♪

誕生日おめでとうっ♪」




「えー!!覚えててくれたの?」




「もっちろんだよ!

開けて開けて★」





ナナが楽しそうにあたしにプレゼントを手渡してくれた。



包装紙がキラキラでピンクのリボンがすごく可愛い。




「なになに?」





──…カサッ…。




包みを開けて、思わず吹き出してしまった。




大量のお菓子と、某ブランドのネイル。



ナナらしいプレゼントに、自然と微笑みが溢れる。





「お菓子大量すぎるっしょ。
ハロウィンじゃないんだからさ~…」




「そーお?
ナナが貰ったら超嬉しいプレゼントだけどなぁ♪」





ナナと笑ってお菓子を食べていた時──…






「──はい桜井。



卒業式許可証。」






………あ……






学級委員長が机に置いてくれた許可証。





──…あなたを見れる、

最後の切符。






「……何か笑える……」




「──…は?何が?」






だって……



だってさ……?





今日、あたしの誕生日だよ…?





何かこの許可証、誕生日プレゼントみたいじゃん……。







──…ねぇぶんちゃん…






もうあたしの誕生日なんて思い出したくもないかもだけど。






あたし………







17歳になったよ……。




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