DEAR 1st SEASON
「───太鼓部は?
彩一番興味あり気だったじゃん♪」
「……え……」
━━━━ドキッ……!
太鼓部という名前を聞いただけで思わず視線を逸らしたあたしを、ナナは素早く察知した。
「──ほ~ら、図星じゃん♪」
「──ち、ちがっ……」
「だぁって太鼓部以外の発表は上の空だったじゃ~ん!!」
「……そ、そうだった?」
「──うん、かなりね!!
今さらとぼけないでいいし!」
「…………。」
……た、確かにそうかもしれない。
ナナの言う通りだ。
……太鼓部以外考えられない……かも。
太鼓全く叩いたこともないし未経験だけど……
……そう、何故か“あの人”に近付きたく仕方なかった。
名前も知らない。
どんな人か、どんな性格なのかも分からない。
たった一度だけ見たあの姿。
それがこんなにも鮮明にインプットされてるなんて初めてだったの。
運命に呼ばれているとすれば多分───……。