DEAR 1st SEASON



受験番号は36番。



────ザワザワ……。



「──…すいません、ちょっと通して……」




ごったがいする人を掻き分け、掲示板にやっとの思いで辿り着く。



「────…よし……」



行くぞ……!



吸った息をキュッと喉に置き、今にも窒息しそうな思いで番号を探す。




──……30、


33─…

──34、


35……



───36………



…………



…………36…………?




「────え?



……あ……ある……」




………ウソ────……



思わず、受験票の36番と掲示板に記された36番を交互に見る。




「……ある………



ある!!!!あるっ…!!!!!!」



───…最終確認を何回したことだろう。



間違いじゃないと、何度言い聞かせたんだろう。


確かに番号がある。



……夢じゃない。


目の前にあるのは“合格”という現実。



「やった………



やったぁぁ~ッッッ!!!!!!」



緊張の糸が緩む。



おまけに涙腺まで緩んで涙グチャグチャ。




……嬉しい。

嬉しい嬉しい嬉しい!



空ってこんなに青かったっけ?

空ってこんなに広かったっけ?

世界ってこんなに綺麗だったっけ─……?


受験が終わった瞬間に見た景色は、いつもよりずっとずっと。


広くて青くてすがすがしかった。
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