DEAR 1st SEASON




……仕方ない。




こうなったら自分で入部届出しに行くか……。



仕方なく職員室を出て、2年5組へと向かう途中。




「───あっ♪彩ー♪

入部届渡せた?」




そう笑い、廊下を歩いてくるナナと偶然出逢った。





「んーん。
何か部長に直接渡してって言われて、今から渡しに行くの。」



「そうなの?
じゃあナナも行くー♪」



「えっ?何で?」



「だって歓迎会で見たかっこいい人、近くで見たいんだも~んっっ♪♪」



「……あ、そう……」




……ミーハーな……。



そんな軽い理由であたしに付いて来たナナと共に階段を登りきり、いよいよ2年5組に到着。




────ドキドキ……。




うぉー緊張する~…!





「───…よしっ!」




─────ガラッ!




重い緊張を振り切って、颯爽と2年5組のドアを開けた。





───ザワザワ……。




クラスで談笑しているグループがたくさん……。



……年は一つしか変わらないはずなのに、やけにみんなが大人っぽく見える。




「……ん~……」



“高山さん”は一体どこにいるんだろう…




顔なんて知らないし…

ここはやっぱり聞いてみなきゃね。




「───すみません、あの………


“高山さん”って方いらっしゃいませんか?

入部届渡したいんですけど…」




ちょうど近くで談笑していた女の人に、恐る恐る尋ねてみる。



………と─……。




「───えっ?????


高山に入部届?


───……ってまさか和太鼓の?!?!」




「…え、あっはい!」



「───本当っっっ?

キャー嬉しいっ!!!!!!

私も和太鼓部なのっ♪

こっち来てっ♪


……あっ私チヒロね★」




「──…あっ、はい…っ!」




この人も和太鼓部?




────グイグイ!



考える暇もなく、チヒロさんはあたしの手を引き、教室の中へと誘ってくれた。

< 42 / 370 >

この作品をシェア

pagetop