DEAR 1st SEASON
……仕方ない。
こうなったら自分で入部届出しに行くか……。
仕方なく職員室を出て、2年5組へと向かう途中。
「───あっ♪彩ー♪
入部届渡せた?」
そう笑い、廊下を歩いてくるナナと偶然出逢った。
「んーん。
何か部長に直接渡してって言われて、今から渡しに行くの。」
「そうなの?
じゃあナナも行くー♪」
「えっ?何で?」
「だって歓迎会で見たかっこいい人、近くで見たいんだも~んっっ♪♪」
「……あ、そう……」
……ミーハーな……。
そんな軽い理由であたしに付いて来たナナと共に階段を登りきり、いよいよ2年5組に到着。
────ドキドキ……。
うぉー緊張する~…!
「───…よしっ!」
─────ガラッ!
重い緊張を振り切って、颯爽と2年5組のドアを開けた。
───ザワザワ……。
クラスで談笑しているグループがたくさん……。
……年は一つしか変わらないはずなのに、やけにみんなが大人っぽく見える。
「……ん~……」
“高山さん”は一体どこにいるんだろう…
顔なんて知らないし…
ここはやっぱり聞いてみなきゃね。
「───すみません、あの………
“高山さん”って方いらっしゃいませんか?
入部届渡したいんですけど…」
ちょうど近くで談笑していた女の人に、恐る恐る尋ねてみる。
………と─……。
「───えっ?????
高山に入部届?
───……ってまさか和太鼓の?!?!」
「…え、あっはい!」
「───本当っっっ?
キャー嬉しいっ!!!!!!
私も和太鼓部なのっ♪
こっち来てっ♪
……あっ私チヒロね★」
「──…あっ、はい…っ!」
この人も和太鼓部?
────グイグイ!
考える暇もなく、チヒロさんはあたしの手を引き、教室の中へと誘ってくれた。