DEAR 1st SEASON
「………はぁ……」
……一瞬にして、心を奪われた感覚だった。
───……帰りの廊下道。
……まだ顔が熱い。
「───ねぇ彩っ!!!!
かぁっこよかったねぇ?!?!?!」
────バシバシ!
「───…っ!!」
ボーッと歩いていたら、ナナに強く肩を叩かれて目が飛び出しそうになった。
「痛い痛い!
もーナナってば、部長さん見過ぎだよっ!」
「んふふー♪
部長さんじゃなくってぇ、
“た・か・や・まサン”でしょっ♪
や~~っぱりあの人、
新入生歓迎会の時にナナがかっこいいって騒いでた人だったよ!」
────…え……
「ねっ、ねぇナナ!
それってもしかして、あの法被に金色の虎と龍が描いてあった人?」
「そうっ!」
──…そう……だったんだ……。
入学式の時に見た人と、
新入生歓迎会の時に見た人は同一人物。
あれは───……
高山さん……だったんだ……。