DEAR 1st SEASON

思えば、この学校には昔から憧れを抱いていた。


“成績がよほど良くないと行けない”


そう言われ、ここは霧の彼方にある存在だったから。


自分の限界と、

努力と力を信じてここまで来た。




「…受かった…」



改めて口にする事で。


自分の事を認められた気がして嬉しくて嬉しくて。


世界にやっと色がついてくる。




「……もしもし?

お母さん?

私だけど……


うん、無事受かったよ」



お母さんの感嘆の声をしばらく聞いて、電話を切り学校を見上げる。



……ここで、一体どんな出逢いがあるのかな?



どんな事が起きるかな?



どうか、いいことがいっぱいいっぱいありますように。






ここに来た運命も



出逢えた奇跡も



これから起こる必然も偶然も。



どんな言葉も、何もかも。





全てが“今”に繋がっていく気がする─……。


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