DEAR 1st SEASON




────……誰……?


今まで見たこともないその人に、吸い込まれるように目が行ってしまう。




黒髪で、真っ直ぐな黒い瞳。



服は………


明らかに私服。




爽やかな白いシャツに、

爽やかな明るい笑顔。



身長高いし何より




────か、





カッコいい…………





───誰……なんだろう…?





「……あ。

まず初めましてかな♪」




キョトンとしている彩を見て、その人は明るく笑った。




「………は、初めまして……。」



……警戒心からか、自然と後ずさりしてしまう。




「あはは。

そんな怖がらんといて?



俺は、朝岡 純。


ここの学校の卒業生でな、和太鼓出身やってん♪」





─────…え………



そ……卒業生?


しかもこの和太鼓部だったんだ…?




「あ、だから私服なんですね?」



「そういうこと♪」



………だからか。



部室にいることも、私服なのも辻褄が合う。




───…そんなあたしを、

“朝岡さん”はニッコリ見つめて笑った。


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