DEAR 1st SEASON
『はい』
「あたし、彩だけど…」
『勝手に入って』
インターホンからそう指示され、一方的に切られた。
仕方なく、言われた様にドアを開けて中に入る。
「…お邪魔します」
「こっち。」
何ヶ月ぶりかの亮。
不良っぽい雰囲気は全く変わってはいない。
亮の姿を見れば、少しでも胸がときめくのではないかと思っていた。
けれど予想は全く的外れ。
何もドキドキなどしない。
「──…で?
話しって何?」
亮の部屋に入り、ドアを閉めるやいなや急に亮が話を持ちかけてきた。
「…あ、うん…。
それより、亮こそ何であんなに電話掛けてきたの?」
「……」
「話してくれなきゃ分かんないよ…」
「俺の質問に先に答えろよ」
「……」
下を見つめ俯くあたしに、亮は声で重圧をかける。