DEAR 1st SEASON
第4章 嵐

第4章 嵐


第4章 嵐



亮はインターホンの音を無視するように行為を続けようとする。




お願い──…

お願いだから助けて─…




誰でもいい。


何でもいい。


ここから逃げられるなら何でもいい─…。




それでも強制的に亮の指が動く。

まるで無駄だと言わんばかりに。




「…ぃ……いたっ…」




思わず痛みに声を上げてしまう。


何にも気持ちよくなんかない。




それどころか

ねじ込まれるようにして動く指の痛みに視界が余計に歪んでいく。




「……ゃ……痛い………ッ」




─────ピンポーン!




叫んだ声がインターホンに消される。



────ピンポーン!





「……………ちっ。

うっせーな」




しつこく鳴り続けるインターホンに、うんざりしたのだろうか。




亮があたしから体を離し、

面倒臭そうに玄関へと向かっていく。




まさかの自由な状況に、あたしはゆっくりと体を起こした。
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