DEAR 1st SEASON


ふらつく足と痛みを帯びる体を引きずって。



服の乱れをザッと直し、縺れ込むように庭へと繋がる窓へと急いだ。


もちろん靴なんて置いて裸足で──……。



早く、早く早く──…!



息が詰まるかのを堪え、外へと繋がる窓を開く。




「─……おい!」





亮の声が後ろから聞こえ、思わず体がビクリとなる。



でも、今逃げなきゃどうなるか分かったもんじゃない。




あたしはそのまま転ぶように庭へと飛び出し、体に残っている全ての力を振り絞り逃げ出した。





────後ろなんて振り向かずに。
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