DEAR 1st SEASON



無意識に発信ボタンを押す指先。




繋がっていく電話。


縮まっていく距離。



───…PRRR………



呼び出し音が鳴る度に不安になる。


いつあたしのSOSに気付いてくれる?


面倒だと思われない?


あたしなんかじゃ出たくないかな…?





───プツッ。



───ドキン!!!!




呼び出し音が途切れ、

一瞬にして無音になる瞬間。




心臓が浮いたような、

氷水に浸けられたような感覚になっていく。




【───もしもし?】



「…………ッ」




待ち望んでいた声。



……この声が聞きたかった。



他には何にも望まない。




……そう思っていたのに─…。

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