DEAR 1st SEASON
視界が更にぐちゃぐちゃになる。
さっきからピントが合わない世界にあたしはいる。
──…誰か。
この世界は幻だと言って。
夢でもいい。
──…夢ならどれだけいいか。
霧と靄がかかった世界には絶望しか生まれなかった。
苦しくて苦しくて。
───…もういなくなりたい。
────消えちゃいたい……。
絶望の果てで思った願いは。
“死んでしまいたい”。
辿り着いた答えがそれだった。
数ある答えの中で“死”は最低だ。
でも当時のあたしには、
その答えが眩しいほど輝いて見えたんだ。
すぐに“死”に結びつける事が、どれだけ弱い考え方なのか。
……そんなこと、理解しようともしなかった。