幼なじみの恋と恋愛小説の恋。

14話 優芽(ゆうめ)の気持ち。

私、優芽は、翔君に沢山気にかけてもらいたい。

 翔君を私の家に閉じ込めたあと、どうするか考えている…

 私の家は、私のことなんて誰も興味なく、旅行に行っている。
 帰っては来ると思うけど、私が何をしていても、空気の様なものだから、大体なんでもできる…。


 ――昔。


 私は自分でつけた傷だらけでいた。

 気にかけてくれた子もいたけど、
 嬉しくて、傷を酷くしていくと、皆逃げていく。

 その時私は、泣いてる男の子を見ていた。
 この子も、自分は傷ついているって気づいて欲しいのかな…?
 
 でも、その男の子は自分に目もくれずに、傷だらけの私の心配をしてくれた。
 

 それからは、私を気にかけてくれる
 その時間が幸せだった。
 不思議な感情だった。…独占したくなった。

 きっと、私が傷ついて居たから、手を差し伸べてくれたんだ…。

 ――

 美羽ちゃんと春花ちゃんも、傷を見た時は驚いて居たけど、
 私を避けずに『いたいの、いたいの飛んでいけ〜!』としてくれた。
 暖かかくて、くすぐったかった。
 
 …
 おすすめの恋愛小説も教えてくれた。
 
 愛を勉強するためだけに読んでみたけど、
  形はさまざまだった。
 
 主人公とキャラクターの2人が誓っているのを見た。

 「ずっと傍に居たい。」と言っていた。
 
   素敵な言葉だと思った。



 愛は、独占したい。時には誰かを、自分さえ攻撃するのでしょう?
 

 噂で、美羽ちゃんと翔君が離れたらいいと思ったけど、逆に仲が深まっちゃった…。
 


 メールが来た時から美羽ちゃんの跡を付けていたけど、大人とも仲が良くて。
 翔君と美羽ちゃんが、小説の中の登場人物に重なって。
 相手が翔君の美羽ちゃんが羨ましくて…


 手首に思いっきり爪をくい込ませた。
 
 ー私は、寒い中、ただ見ているだけだったのに…
 

 …
 でも、美羽ちゃんからのメール《また、一緒にパンケーキ、食べに行こうね。》は…
 暖かい気持ちになってしまった。
 

 美羽ちゃんや春花ちゃんと居ると、心が安らぐ。
 これじゃいけない…


 自分を精神的にも、肉体的にも傷つけたら、運命の人を見つけられる。


 私のとっておきの愛され方…。

 
 ――
 

 「…」
 私は翔君に近づく。

 翔君には私が私を傷つけるのを見てもらう。
 
 もし、美羽ちゃんに取られるくらいなら…

 …あははっ!
< 14 / 19 >

この作品をシェア

pagetop