幼なじみの恋と恋愛小説の恋。

3話 ラブレター?

 3話 ラブレター?
  私は図書室を出たあと、小走りで教室へ戻った。
  その後の授業や、友達の春花ちゃん達の声は耳に、 入りにくかった…
 
 私は、小学4年生辺りからはずっと翔を避けていた。

  酷いと思ったけど、
 私たちが一緒に居ると皆がからかってくるから嫌だったり、幼なじみでも私達はいつか違う道を歩いていく。

 それに、好きなキャラクターと翔が似ているから翔への気持ちが曖昧だった。

 だから離れる時だと思っていた、のに…

 「むー」
 
 私はは一人でむすっとしてしまった。

 翔は、昔よりツンが増えたけど真っ直ぐなところは変わらないから、複雑だった。

 ー翔は私のことが好き?

 ふと、そんなことを疑問に思い、思い切り首を振り、忘れた。
 

 
 今日は一人帰ろうと、コートを羽織り、教科書をカバンに入れていると、
 レターが入っていた。

 「……え」

 きっと、春花ちゃんが前にくれたのが教科書に挟まっていたのかも…
  でも、ラブレター、なのかも…?

 「私には、ないと思う…」

 私は友達が春花ちゃんと、優芽ちゃん以外居ない。

 引っ込み思案だし、周りには理解されにくいかもしれないものも、きっと持っているから。

 …誰かに渡すのかな?

 確認の為、レターを開けてしまった。

 「…!?」

 【葉月 美羽さんへ。伝えたいことがあります。
 今日の午後、校舎裏へ来てくれませんか?
  桐島⠀優希より】
 

 桐島くん…、は緊張していたのかもしれない。
  字は少し震えていた。

  「な、なっ…なんぱ!それとも、やんきー?」
 

  口に慣れない言葉を言ってみる。

  でも、そんな人たちが手紙に書いて送ってくれるなんてあるの…?
 この人の気持ちを、無下にはできない気がした。

 「よ、よしっ。行ってみよう!」

  美羽は校舎裏へと駆け出して行った。
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