この想いの名前を僕たちはまだ知らない
15、鳥居のこちら側の世界
「ミラ、ミラ!!」
私は気がつくと汗だくになり、ひいおばあちゃんの家の仏間続きの廊下で横たわっていた。
「……ラ!ミラ!大丈夫か?汗ヤバいぞ」
パパの切羽詰まった声が起きたての私の頭に鈍い音を立てて響き渡る。
「パ、パ?」
「ミラ!あ~良かった……」
「パパ、ここ、どこ?」
「な~に言っとるんだ。全く留守番さぼって……。こんな所で昼寝なんかしてたら熱中症になるぞ」
パパはそう言うと私にキンキンに冷えたペットボトルの麦茶を手渡した。
扇風機は止まっている。
私が縁側に飛び出して見た、お社の両脇に佇むキツネ様の顔は、先程とは寸分も違わず、ニヒルな顔で笑っていた。
私が見てきた“鳥居の向こう側の世界”は起きがけの私には、まるで現実を逃避したいと願ったから見た真夏の幻夢。
リアムと夏菜子ちゃんとの時間は、起きがけの私にはリアリティのある一時の御伽の話、と思えて仕方がなかった。
*
「ちょっと。二人共、奥にいるの?ほら、業者さんがひいおばあちゃんを送ってくれたんよ。ミラ、ひいおばあちゃんに挨拶しなさい」
私が仏間に戻ると仏壇の前には紫色座布団が3つ横並びに敷かれてあった。
その座布団の向く先には金色の大きな座布団が1枚。
そして、仏壇の前には白い布が掛けられた杉の棺がいつの間にか、置かれていた。
私が恐る恐る中を覗き込むとひいおばあちゃんはまるで眠っているかのように、そこに横たわっていた。
当然、息はしていない。
棺の中は冷蔵庫と同じくらい冷たかった。
棺の中に眠るその顔は「私の人生に悔いはない」とでも言っているかのように安らかなものだ。
私はママから「ひいおばあちゃんは庭の四角い空井戸の前で草を取っている時に倒れた」と聞いたのでどんなに苦しい死に顔をしているだろうか、とビクビクしていた。
だけど、それは取り越し苦労だった様だ。
私はひいおばあちゃんの安らかな死に顔を見て、倒れているひいおばあちゃんを見つけ救急車を呼んでくれた顔も知らない郵便配達員のお兄さんに感謝をした。
ひいおばあちゃんは倒れた後、最期は病院のベッドで亡くなったらしい。
「……ミラ。今だから話すけどね。ひいおばあちゃんがね、ミラの名前つけてくれたんだよ」
パパは棺を優しくさすりながら涙を浮かべて私の右隣に座り、突然こう話を切り出した。
「そうだったわね。ミラが生まれた日。私達夫婦は産室で大喧嘩しちゃったのよ。「こんな青い目の子、俺の子じゃない!お前、浮気しとったんだろ!!」ってパパが大声出すから私もつい大声で反論して……」
「そりゃ、しょうがないだろ。誰だって驚くよ。君の家系にも僕の家系にも外国の人の血は流れていないはずだから……」
パパはそう言うと私の左隣に座っているママに身を乗り出し反論した。
「も~。パパったらおじいちゃんに似て頑固でいつまで経っても「ごめんなさい」が言えない性格なのよね。ホント子どもみたい」
そう言うとママは小さなため息をついた。そして、
「でも、そうよね……。私の家は代々尾張の農家。パパの方もひいおばあちゃんのおばあちゃんの代には、この辺りの地主だったらしいから外国の人とは関わりなんてないだろうし……。それより前の先祖様かしら?」
ママはそう言うと人差し指の剥げかけたピンクのネイルを触った。
私は闇夜に浮かぶ名古屋の街の灯りを窓の外に見ながら2人の会話を聞き流していた。
「そうだな。だけど、アレには驚いたよなぁ。ひいおばあちゃん、産まれたばかりのミラが瞳を開いたら号泣し始めたんだよ。リア……何だっけな?なんか言ってた気もするが。まぁ、兎に角。ミラの名前はひいおばあちゃんがつけたんだ」
私はパパの絞り出した涙声を聞き、もしかしたらというモヤモヤが確信へと変わっていくのを感じた。
そして私は堰を切った様にに溢れ出る言葉を抑えきれず、思いつく限りの質問をパパに浴びせていった。
「ねぇ、パパ!ひいおばあちゃんのお父さんってどんな人だったか知ってる?」
私はパパの横顔に尋ねた。
「う~ん。俺のひいじいちゃんか?ん~、確かハイカラな人だっとミラのひいおばあちゃんに聞いたが、ひいおばあちゃんが娘の時に“満州”に出征してそれっきりらしい。ひいおばあちゃんのお母さんは確か出征する前の年に病気で亡くなったと聞いたが……」
私は棺の中に眠るひいおばあちゃんの右の耳たぶを見た。
(ひいおばあちゃんの耳にも私と同じ位置に黒子がある……)
私の直感が確信に変わった……。
私の目からは涙が止めどなく溢れて制服のスカートに大きな染みを広げていく。
棺の中で眠るひいおばあちゃんの顔の周りには、私が幼い頃ひいおばあちゃんを描いた似顔絵や一緒に折った祝い鶴の折り紙が入っていた。
そして今、ひいおばあちゃんの胸の上に1枚の古ぼけたセピア色の写真が大事そうに抱かれている。
私は思わず写真を手に取り裏返し、写真に見入った。
「ミラ、何でやろね?何でひいおばあちゃん、「この写真を一緒に燃しとくれ」って死に際に看護婦さんに言ったのかね。何か知っとる?」
私はママの言葉を聞き、ひいおばあちゃんの冷たくなったしわくちゃな手の上に涙をこぼし、小さく頷いた。
セピア色の写真には若くて背の高い外国の男の人とその父親、母親らしき壮年の男女。
そして、その壮年の母親と思われる女性の膝の上には3歳くらいの女の子が白い歯を見せて笑っていた。
写真の裏にはペンでRiam Kanako Mira と何度もなぞり書きがされていた。
涙で文字がかすみ上手く言葉が絞り出すことができない。
そんな私にママは優しく背を撫ぜて寄り添ってくれた。
「ねぇ、ママ……。ひいおばあちゃんの名前って……」
私は次々に溢れ出る涙をママのハンカチで抑えながら言葉を絞り出していく。
「ん?夏菜子。田中夏菜子よ。ミラ、 もしかして知らなかったの?」
私はママの言葉を聞いて再びひいおばあちゃんの顔を見ながら大粒の涙を流した。
(こんな残酷な運命なんてない。私のひいおばあちゃんが夏菜子ちゃん、だなんて……)
私はその日、お通夜が終わるまでずっと二人分の涙を流し続け、目を腫らした。
リアムと夏菜子ちゃんが手を取り、天国で再会できる事を願って……。
*
季節外れの台風の吹き戻しの風が私たち家族の中の悲しみを全部吹き飛ばして行ったような、ある夏の陽射しの強い日。
今年のうなだれるような暑い夏はまだ始まったばかりのようだ。
私は葬式の後、火葬場からひいおばあちゃんの家のある山の方を見上げ、手を合わせていた。
私のひいおばあちゃんは、私達家族にひいおじいちゃんの事を秘密にしたまま亡くなった。
ひいおばあちゃんの一人息子のおじいちゃんにひいおじいちゃんのことを聞いてみたが「知らん」の一点張りだった。
おじいちゃんはひいおじいちゃんがひいおばあちゃんを捨てたと思っているのだろう。
でも、それは違う。
おじいちゃん。ひいおじいちゃんはひいおばあちゃんの事を心の底から愛していたよ……。
もし、私がひいおばあちゃんだったら秘密を墓場まで持っていったのだろうか?。
あるいは……。
……「ミラちゃん、私にはね昔。あなたと同じ名前と青い瞳の女の子の友達がいたんよ……。それと同じ青い瞳をした私の大切な人。ミラちゃんのおじいちゃんはね、その人と私の間の子どもなんよ。リアムと私とミラちゃん。3人でいるあの時間はそりゃ楽しかったな。あ、ミラちゃんこれはミラちゃんと私だけの秘密よ。ミラちゃんと私だけの……」
私は煙を見上げながら記憶の奥に眠っていた優しく温かいひいおばあちゃんの笑顔を思い出し、再び涙した。
2日の間で一生分の涙を流した私の目は鏡で見ると、まるでウサギのように真っ赤になっていた。
(Riam 。 Miraか。 ふふっ。名前がアナグラムになっている)
ひいおばあちゃんは本当は私が生まれた時から私が過去にタイムスリップする事を知っていたかもしれない。
そして本当は私に「ミラちゃん。私、リアムの子を産んだよ」って伝えたかったかもしれない。
(ひいおばあちゃん、私がタイムスリップする事を知っていたから英語の本をたくさん買ってくれていたのか……。ふふっ。夏菜子ちゃんはやっぱり策士だな……)
私は火葬場から上がる青い煙に思わず手を振った。
(ひいおばあちゃん……。いや、夏菜子ちゃん。ありがとう。天国でリアムとお幸せに……。それとね、夏菜子ちゃん。私、決めたよ。私ね、将来は通訳になる!二人の描いた戦争のない世界を実現する手助けをする通訳に……)
私は“通訳!”と将来の夢だけを書き込んだ“進路希望調査表”を胸に煙が青い空に溶け込むまで精一杯手を振った。
「ありがとう」だけでは言い足りない感情を全身に込めて。
−夏菜子ちゃん、リアム。二人の願いは私が必ず、未来に繋げていくよ。
私は気がつくと汗だくになり、ひいおばあちゃんの家の仏間続きの廊下で横たわっていた。
「……ラ!ミラ!大丈夫か?汗ヤバいぞ」
パパの切羽詰まった声が起きたての私の頭に鈍い音を立てて響き渡る。
「パ、パ?」
「ミラ!あ~良かった……」
「パパ、ここ、どこ?」
「な~に言っとるんだ。全く留守番さぼって……。こんな所で昼寝なんかしてたら熱中症になるぞ」
パパはそう言うと私にキンキンに冷えたペットボトルの麦茶を手渡した。
扇風機は止まっている。
私が縁側に飛び出して見た、お社の両脇に佇むキツネ様の顔は、先程とは寸分も違わず、ニヒルな顔で笑っていた。
私が見てきた“鳥居の向こう側の世界”は起きがけの私には、まるで現実を逃避したいと願ったから見た真夏の幻夢。
リアムと夏菜子ちゃんとの時間は、起きがけの私にはリアリティのある一時の御伽の話、と思えて仕方がなかった。
*
「ちょっと。二人共、奥にいるの?ほら、業者さんがひいおばあちゃんを送ってくれたんよ。ミラ、ひいおばあちゃんに挨拶しなさい」
私が仏間に戻ると仏壇の前には紫色座布団が3つ横並びに敷かれてあった。
その座布団の向く先には金色の大きな座布団が1枚。
そして、仏壇の前には白い布が掛けられた杉の棺がいつの間にか、置かれていた。
私が恐る恐る中を覗き込むとひいおばあちゃんはまるで眠っているかのように、そこに横たわっていた。
当然、息はしていない。
棺の中は冷蔵庫と同じくらい冷たかった。
棺の中に眠るその顔は「私の人生に悔いはない」とでも言っているかのように安らかなものだ。
私はママから「ひいおばあちゃんは庭の四角い空井戸の前で草を取っている時に倒れた」と聞いたのでどんなに苦しい死に顔をしているだろうか、とビクビクしていた。
だけど、それは取り越し苦労だった様だ。
私はひいおばあちゃんの安らかな死に顔を見て、倒れているひいおばあちゃんを見つけ救急車を呼んでくれた顔も知らない郵便配達員のお兄さんに感謝をした。
ひいおばあちゃんは倒れた後、最期は病院のベッドで亡くなったらしい。
「……ミラ。今だから話すけどね。ひいおばあちゃんがね、ミラの名前つけてくれたんだよ」
パパは棺を優しくさすりながら涙を浮かべて私の右隣に座り、突然こう話を切り出した。
「そうだったわね。ミラが生まれた日。私達夫婦は産室で大喧嘩しちゃったのよ。「こんな青い目の子、俺の子じゃない!お前、浮気しとったんだろ!!」ってパパが大声出すから私もつい大声で反論して……」
「そりゃ、しょうがないだろ。誰だって驚くよ。君の家系にも僕の家系にも外国の人の血は流れていないはずだから……」
パパはそう言うと私の左隣に座っているママに身を乗り出し反論した。
「も~。パパったらおじいちゃんに似て頑固でいつまで経っても「ごめんなさい」が言えない性格なのよね。ホント子どもみたい」
そう言うとママは小さなため息をついた。そして、
「でも、そうよね……。私の家は代々尾張の農家。パパの方もひいおばあちゃんのおばあちゃんの代には、この辺りの地主だったらしいから外国の人とは関わりなんてないだろうし……。それより前の先祖様かしら?」
ママはそう言うと人差し指の剥げかけたピンクのネイルを触った。
私は闇夜に浮かぶ名古屋の街の灯りを窓の外に見ながら2人の会話を聞き流していた。
「そうだな。だけど、アレには驚いたよなぁ。ひいおばあちゃん、産まれたばかりのミラが瞳を開いたら号泣し始めたんだよ。リア……何だっけな?なんか言ってた気もするが。まぁ、兎に角。ミラの名前はひいおばあちゃんがつけたんだ」
私はパパの絞り出した涙声を聞き、もしかしたらというモヤモヤが確信へと変わっていくのを感じた。
そして私は堰を切った様にに溢れ出る言葉を抑えきれず、思いつく限りの質問をパパに浴びせていった。
「ねぇ、パパ!ひいおばあちゃんのお父さんってどんな人だったか知ってる?」
私はパパの横顔に尋ねた。
「う~ん。俺のひいじいちゃんか?ん~、確かハイカラな人だっとミラのひいおばあちゃんに聞いたが、ひいおばあちゃんが娘の時に“満州”に出征してそれっきりらしい。ひいおばあちゃんのお母さんは確か出征する前の年に病気で亡くなったと聞いたが……」
私は棺の中に眠るひいおばあちゃんの右の耳たぶを見た。
(ひいおばあちゃんの耳にも私と同じ位置に黒子がある……)
私の直感が確信に変わった……。
私の目からは涙が止めどなく溢れて制服のスカートに大きな染みを広げていく。
棺の中で眠るひいおばあちゃんの顔の周りには、私が幼い頃ひいおばあちゃんを描いた似顔絵や一緒に折った祝い鶴の折り紙が入っていた。
そして今、ひいおばあちゃんの胸の上に1枚の古ぼけたセピア色の写真が大事そうに抱かれている。
私は思わず写真を手に取り裏返し、写真に見入った。
「ミラ、何でやろね?何でひいおばあちゃん、「この写真を一緒に燃しとくれ」って死に際に看護婦さんに言ったのかね。何か知っとる?」
私はママの言葉を聞き、ひいおばあちゃんの冷たくなったしわくちゃな手の上に涙をこぼし、小さく頷いた。
セピア色の写真には若くて背の高い外国の男の人とその父親、母親らしき壮年の男女。
そして、その壮年の母親と思われる女性の膝の上には3歳くらいの女の子が白い歯を見せて笑っていた。
写真の裏にはペンでRiam Kanako Mira と何度もなぞり書きがされていた。
涙で文字がかすみ上手く言葉が絞り出すことができない。
そんな私にママは優しく背を撫ぜて寄り添ってくれた。
「ねぇ、ママ……。ひいおばあちゃんの名前って……」
私は次々に溢れ出る涙をママのハンカチで抑えながら言葉を絞り出していく。
「ん?夏菜子。田中夏菜子よ。ミラ、 もしかして知らなかったの?」
私はママの言葉を聞いて再びひいおばあちゃんの顔を見ながら大粒の涙を流した。
(こんな残酷な運命なんてない。私のひいおばあちゃんが夏菜子ちゃん、だなんて……)
私はその日、お通夜が終わるまでずっと二人分の涙を流し続け、目を腫らした。
リアムと夏菜子ちゃんが手を取り、天国で再会できる事を願って……。
*
季節外れの台風の吹き戻しの風が私たち家族の中の悲しみを全部吹き飛ばして行ったような、ある夏の陽射しの強い日。
今年のうなだれるような暑い夏はまだ始まったばかりのようだ。
私は葬式の後、火葬場からひいおばあちゃんの家のある山の方を見上げ、手を合わせていた。
私のひいおばあちゃんは、私達家族にひいおじいちゃんの事を秘密にしたまま亡くなった。
ひいおばあちゃんの一人息子のおじいちゃんにひいおじいちゃんのことを聞いてみたが「知らん」の一点張りだった。
おじいちゃんはひいおじいちゃんがひいおばあちゃんを捨てたと思っているのだろう。
でも、それは違う。
おじいちゃん。ひいおじいちゃんはひいおばあちゃんの事を心の底から愛していたよ……。
もし、私がひいおばあちゃんだったら秘密を墓場まで持っていったのだろうか?。
あるいは……。
……「ミラちゃん、私にはね昔。あなたと同じ名前と青い瞳の女の子の友達がいたんよ……。それと同じ青い瞳をした私の大切な人。ミラちゃんのおじいちゃんはね、その人と私の間の子どもなんよ。リアムと私とミラちゃん。3人でいるあの時間はそりゃ楽しかったな。あ、ミラちゃんこれはミラちゃんと私だけの秘密よ。ミラちゃんと私だけの……」
私は煙を見上げながら記憶の奥に眠っていた優しく温かいひいおばあちゃんの笑顔を思い出し、再び涙した。
2日の間で一生分の涙を流した私の目は鏡で見ると、まるでウサギのように真っ赤になっていた。
(Riam 。 Miraか。 ふふっ。名前がアナグラムになっている)
ひいおばあちゃんは本当は私が生まれた時から私が過去にタイムスリップする事を知っていたかもしれない。
そして本当は私に「ミラちゃん。私、リアムの子を産んだよ」って伝えたかったかもしれない。
(ひいおばあちゃん、私がタイムスリップする事を知っていたから英語の本をたくさん買ってくれていたのか……。ふふっ。夏菜子ちゃんはやっぱり策士だな……)
私は火葬場から上がる青い煙に思わず手を振った。
(ひいおばあちゃん……。いや、夏菜子ちゃん。ありがとう。天国でリアムとお幸せに……。それとね、夏菜子ちゃん。私、決めたよ。私ね、将来は通訳になる!二人の描いた戦争のない世界を実現する手助けをする通訳に……)
私は“通訳!”と将来の夢だけを書き込んだ“進路希望調査表”を胸に煙が青い空に溶け込むまで精一杯手を振った。
「ありがとう」だけでは言い足りない感情を全身に込めて。
−夏菜子ちゃん、リアム。二人の願いは私が必ず、未来に繋げていくよ。