無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
1.好きな人
「好きです、僕と付き合ってください!」
そう言ったあと、勢いよく頭を下げて、片手を私の方に伸ばした。
少し埃っぽい匂い。
太陽の光だけが、この場所の光源。
やけに静かな、旧校舎の空き教室。
そんな教室の真ん中に、私と男の人が立っている。
その空間に、ストレートな愛の言葉だけが響いた。
……愛の言葉?
自分で感じたことなのに、不思議に思ってしまった。
『好きです、俺と付き合ってください!』
確かに、彼はそう言った。
ストレートな、愛の言葉。
……つまり。
告白、されちゃった……っ!?
ど、どうしよう。
なんて、言ったらいいのかな……?