無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


お母さんたちが仕事で使っていたとはいえ、家具はすべて新品のように綺麗だった。



ゴミや埃もほとんどなかったから、きっと事前に掃除をしておいてくれたのだろう。



おかげで、晴れ晴れとした気持ちで新生活を始められそう。




「家事は当番制でいい?」


「……え、は、はいっ」




突然そんなことを言い出した染野くんに、ワンテンポ遅れて返事をする。



し、失礼かもしれないけど、家事はすべてやらされるんだと思ってた……っ。



この生活に、染野くんも色々協力してくれるんだな。



てっきり、私と同居って形になっちゃったから、ほったらかしにされるかも、なんて思ってたよ。



< 108 / 291 >

この作品をシェア

pagetop