無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


……えっ⁉



もしかして、顔に出てた……っ?



確かに私、よく家族に「感情が顔に出やすい」って言われてたな。



私は全然自覚がないけれど、はたから見るとそうなのかもしれない。




「私、料理するのが大好きなので……っ!


毎日できると思うと嬉しくて……」




本当に、変だと思われるかもしれないけれど、そのくらい料理が好きなんだ。



だらしなく頬が緩んでいるのが分かる。



思わず、両手で両頬を包んだ。



そんな私を見て、染野くんが目を大きく見開いた。




「……っ」


「……?」




すると、彼はふいっとそっぽを向いてしまった。



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