無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


えっ、あれ、どうしたんだろう……っ?




「そ、めのくん……?」




不思議に思って、思わず彼の名前を呼ぶ。



私の声に染野くんは、はっとしたように反応して。




「……なんでもない」




とつぶやいた。



……大丈夫、かな。



なにか変なものでも見つけた……?




「……と、とにかくっ。

それ以外の家事は俺やるから」


「ええっ! そんなのダメです!」




とっさに反対の意を示す。



だって、そんなの染野くんの負担が大きすぎるもんっ。



私だけ好きなことやって、染野くんが苦なことだけやるのはおかしい。




「じゃあ朝倉、洗濯も頼んでいい?

掃除は時々二人で協力してやるってことにして、それ以外は俺やるよ」


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