無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
2.彼と先輩





『俺、朝倉のこと大っ嫌いなの』




今日のお昼休みの、染野くんの言葉を唐突に思い出す。




思わず、小さくため息をもらしてしまった。



学校帰り、電車に揺られながら窓の外を見つめる。



ちなみに私は、ドアの近くに立ち、そばにある手すりに捕まっている。




どうしてこんなことになっちゃったのかなぁ……。




思っても意味の無いことを考えてしまう。




いや、正確に言えば私が悪い。



私が、染野くんの好みに反する人だったって、



染野くんにとって、私が気に入らない存在だったって、それだけの話。




そんな当時のことを、私はぼんやりと思い出していた。



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