無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
ねえ、一樹くん。
私、一樹くんに恋ができてよかったよ。
穏やかで、人と関わることが好きで、優しかった一樹くんと、
ちょっと強引で、甘くて、無気力な王子様である一樹くん。
どっちも私が好きになった一樹くんだ。
可愛いも、好きも、愛してるも、ハグも、キスも。
私にとっては刺激が強すぎることばかりだけれど。
もっと愛してほしいし、好きになってほしい。
ずっとそばにいてほしい。
ねぇ、一樹くん。
「私も、大好き……っ」
何度だって、頑張って私も好きを伝えるから。
私にも、また好きを伝えてね。
一樹くんは今日も──。
「じゃあ、俺しか見えなくしてあげるね」
私だけに、甘い言葉をささやく。
『無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる』
Fin.