無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
3.同居相手
*
……今、ものすごく緊張している。
車に揺られ、流れていく窓の外の景色をぼんやりと眺めている最中である。
九月も下旬に差しかかっているのに、夏の気配はなかなか消えてくれない。
道路の両側に立ち並ぶ緑の葉っぱをつけた木々が、風に吹かれてゆらゆらと揺れている。
うぅ、どうしよう……っ。
わ、私上手くやれるかな……っ!?
そんな穏やかな景色の中、一人大きな不安を抱えている私。
なんと、今日から私の同居生活が始まるのです……!
あれから今日の午前中までに荷造りを終えることができた。
1週間もあればすぐに終わると思っていたけれど、実際はかなり時間がかかってしまった。