彼女は彼に振り回される
実奈がソファーで寝ていた。

樹理「そんな所で寝てたら寒いぞ」

おっさんが娘に言う言葉みたいだな。

樹理「どうするか」

選択肢1 掛け布団をもってきて寒くないようにして寝させる。

選択肢2 寝室まで移動してもらう。

1はソファーで寝ると疲れが取れないから健康のためにはよくないな。

2 果たして起きるか?

どうするか

悩んだ結果2を選ぶことにした。

樹理「おい、実奈、起きろ」

実奈「ん?、んん~」

幸せそうに寝ている。

これは無理に起こしたらかわいそうだ。

2もダメだった。

仕方ない、掛け布団を持ってくるか。

実奈の部屋に入り(乙女の部屋に侵入)掛け布団をもって行こうと布団をもった瞬間に思いついた。

俺が実奈を部屋まで運べばいいんじゃないか?。

布団を手から離し実奈の所まで戻り、実奈の背中とひざ裏に手、腕を回し持とうとした。

持てるかな…?

少し不安だったがこのままじゃよくないので勇気を出してやってみることにした。

実奈を持った、いわゆるお姫様だっこだ。

樹理「おぉ、意外と軽い、やっぱり女だな」

そのまま美奈の部屋まで運んでベッドの下ろそうとした時に、実奈が目を覚ました。

実奈「んんんん、ん?」

樹理「あっ…」

実奈は確認した、今、自分の置かれている状況を。

自分の部屋、樹理がいる、お姫様だっこされている。

実奈「き―」

樹理「き?」

実奈「きゃあああああああああ!!」

実奈「何で樹理が私をお姫様だっこしてんの、って言うか何で私の部屋にいるの!?」

樹理「お前がソファーで寝てたから運んできた」

実奈「何で私の部屋にいんの!?入らないでって言ったでしょ!」

樹理「入らないとお前をベッドに運べないだろう」

実奈「起こせばよかったじゃない!」

樹理「お前が幸せそうに寝てたから…」

実奈「別にソファーで寝ててもよかったかじゃない!」

樹理「お前が心配だったんだよ」

実奈「えっ」

樹理「あのまま寝たら風邪ひいてしまうと思って、部屋で寝かせた方が一番いいと思ったんだ」

実奈「そうなの…」

樹理「お前、意外と軽いのな」

実奈「“意外と”は余計!」

女子には言ってはいけない余計な一言を言ってしまった樹理だった。
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