兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
寮母の縁談
「私に、縁談?」
レティシアが素っ頓狂な声を上げると、目の前にいるレティシアの祖母は満面の笑みで微笑んだ。それはレティシアがアスールと星空を一緒に見た次の日の夕方、レティシアが洗濯物を取り込んでいる最中のことだ。
寮母を引退した祖母はレティシアの寮母としての様子を見にたまに寮へやって来る。この日もレティシアの様子を見に来たのだとばかり思っていたが、どうやらそれだけではなかったらしい。
「お前ももういい歳だ。そろそろ頃合いかと思ってね」
「いや、私まだ十八だし、寮母になって二年しか経ってないんだけど!?」
「なーに言ってるんだい、私もあんたの母親もお前の年の頃にはもう婚約していたよ。それに別に結婚したって寮母は続けられるだろう。私だってお前の母親だって結婚して子供を産んでからも寮母やってるんだ。それにお相手の家も仕事に関して理解してくれてるよ。お相手の人も、もちろんそのはずだ」
ふふん、と祖母は腕を組みながらドヤっている。
「そ、そんな急にそんなこと言われても……っていうか、なんでこんなところでそんな話急に始めるの?みんな見てるじゃない!」
二人が話していたのは任務を終えた団員たちが寮に戻って来る時間で、ちょうど帰ってきた団員たちがレティシアと元寮母であるレティシアの祖母を見ながら驚いた顔をしている。
レティシアは思わずアスールの姿を探すが、アスールはまだ戻ってきていないらしい。ホッと胸をなでおろしていると、どこからか強い視線を感じる。その視線の方向に目をむけると、団員たちの中にブランシュを見つけた。ブランシュは驚いた顔でレティシアをジッと見つめている。
「と、とにかくその話はあとで私の部屋でして!」
レティシアが叫ぶと、祖母はやれやれと肩をすぼめてあたりを見渡した。その祖母の瞳に一人の男の姿が映る。長めの黒髪を一つに束ねたその男ノワールは、祖母の顔を見ながらへぇ、と不敵な笑みを浮かべた。
レティシアが素っ頓狂な声を上げると、目の前にいるレティシアの祖母は満面の笑みで微笑んだ。それはレティシアがアスールと星空を一緒に見た次の日の夕方、レティシアが洗濯物を取り込んでいる最中のことだ。
寮母を引退した祖母はレティシアの寮母としての様子を見にたまに寮へやって来る。この日もレティシアの様子を見に来たのだとばかり思っていたが、どうやらそれだけではなかったらしい。
「お前ももういい歳だ。そろそろ頃合いかと思ってね」
「いや、私まだ十八だし、寮母になって二年しか経ってないんだけど!?」
「なーに言ってるんだい、私もあんたの母親もお前の年の頃にはもう婚約していたよ。それに別に結婚したって寮母は続けられるだろう。私だってお前の母親だって結婚して子供を産んでからも寮母やってるんだ。それにお相手の家も仕事に関して理解してくれてるよ。お相手の人も、もちろんそのはずだ」
ふふん、と祖母は腕を組みながらドヤっている。
「そ、そんな急にそんなこと言われても……っていうか、なんでこんなところでそんな話急に始めるの?みんな見てるじゃない!」
二人が話していたのは任務を終えた団員たちが寮に戻って来る時間で、ちょうど帰ってきた団員たちがレティシアと元寮母であるレティシアの祖母を見ながら驚いた顔をしている。
レティシアは思わずアスールの姿を探すが、アスールはまだ戻ってきていないらしい。ホッと胸をなでおろしていると、どこからか強い視線を感じる。その視線の方向に目をむけると、団員たちの中にブランシュを見つけた。ブランシュは驚いた顔でレティシアをジッと見つめている。
「と、とにかくその話はあとで私の部屋でして!」
レティシアが叫ぶと、祖母はやれやれと肩をすぼめてあたりを見渡した。その祖母の瞳に一人の男の姿が映る。長めの黒髪を一つに束ねたその男ノワールは、祖母の顔を見ながらへぇ、と不敵な笑みを浮かべた。