人生詩集・青少年編

パリの彫像

花の都パリ。
ガール・デュ・オーステルリッツ駅前広場に、見馴れぬ彫像が立ってござる。
ワインを片手に零落姿の御婦人が、台に上がって酔いどれポルカ。
いいぞ、ブラボー! 世間なんて糞くらえだ!

俺も文無しジャポネの辛い身だ。上がっていっしょに踊りたいが、
あいにくノミの心臓、そんな度胸はこれっぽちもない。
ふふふ、このお坊ちゃん、和製ランボーを気取って来たんだと!
ランボーならとっくにこのマダムと踊ってらあ。

おっと、俺に投げキッスだ。そこまでされても…こいつ、
下向いて行っちまったぜ!

        【駅前ポルカのイメージ図(実際のご婦人は零落してましたがね)】
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