人生詩集・青少年編
ブルースパニッュアイズ(散文詩)・3
「あなたの心は凍っているわ。弱々しくって…男じゃないのね」
「そうだ、俺は弱い。だから君の好意に応えられない」
「だあって、女の私から声をかけてあげたのに、それでも乗って来れないの?ひどいじゃない」
「俺は無一文で、イエローのヤープで、明日にでもまた宿無しの身だぜ。何が出来る?」
「へー、そうなんだ。だけどあんたの懐なんか聞いてないよ。国籍も人種も。そんなこと云うんだったら私だってこの国では蔑まれるスペイン女よ。あんた、そんなことを気にして生きて来たの?これからも生きて行くの?」
「それだけじゃない!…俺は生来孤独で根暗で、どうしようもない…」
「ハッ!まったく自分に二重三重に錠を掛ける男ね、あんたって人は!そんなもん、あたしって鍵を使えばみんな開けられるのよ!?バカよ、あんたは。格好つけて、自分から引いてばかりいるんだわ。せっかく釣られてやろうと思ったのにさ。じゃあね、チャアオ」
無論そんな会話が実際に為されたわけではない。言葉ではなく、殆ど一瞬で交された二人の間のイメージの錯綜だった。いや、もしかしたら俺一人の内で為されたものかも知れない。取るに足らないダサ男の、ただのみっともない顛末なのだが、ただ…歌が聞こえて来るのだ…
♬ ♪ ♫
ブルー・スパニッシュアイズ…つめたい人ね、あなたは。
ブルースパニッシュアイズ…わたしは海よ、青い海。
満ち潮となってあなたのもとにやって来たのに、どうして逃げてしまうの?
なんて愚かな人なの、あなたは。
幸せを、幸せを、自分から逃してしまうなんて。あなたを浸そうとしたのに…
さようなら。もう引き潮よ。さようなら、つめたいあなた…
♬ ♪ ♫
【ブルースパニッシュアイズ…わたしは海よ、青い海】
「そうだ、俺は弱い。だから君の好意に応えられない」
「だあって、女の私から声をかけてあげたのに、それでも乗って来れないの?ひどいじゃない」
「俺は無一文で、イエローのヤープで、明日にでもまた宿無しの身だぜ。何が出来る?」
「へー、そうなんだ。だけどあんたの懐なんか聞いてないよ。国籍も人種も。そんなこと云うんだったら私だってこの国では蔑まれるスペイン女よ。あんた、そんなことを気にして生きて来たの?これからも生きて行くの?」
「それだけじゃない!…俺は生来孤独で根暗で、どうしようもない…」
「ハッ!まったく自分に二重三重に錠を掛ける男ね、あんたって人は!そんなもん、あたしって鍵を使えばみんな開けられるのよ!?バカよ、あんたは。格好つけて、自分から引いてばかりいるんだわ。せっかく釣られてやろうと思ったのにさ。じゃあね、チャアオ」
無論そんな会話が実際に為されたわけではない。言葉ではなく、殆ど一瞬で交された二人の間のイメージの錯綜だった。いや、もしかしたら俺一人の内で為されたものかも知れない。取るに足らないダサ男の、ただのみっともない顛末なのだが、ただ…歌が聞こえて来るのだ…
♬ ♪ ♫
ブルー・スパニッシュアイズ…つめたい人ね、あなたは。
ブルースパニッシュアイズ…わたしは海よ、青い海。
満ち潮となってあなたのもとにやって来たのに、どうして逃げてしまうの?
なんて愚かな人なの、あなたは。
幸せを、幸せを、自分から逃してしまうなんて。あなたを浸そうとしたのに…
さようなら。もう引き潮よ。さようなら、つめたいあなた…
♬ ♪ ♫
【ブルースパニッシュアイズ…わたしは海よ、青い海】