人生詩集・青少年編

ソナチネ

パリーの香り シャンソンの味

         何となく…(感じる)

生きているという この小さな喜び

         シャンデリアの細い蝋燭のもと

ぼくの小さな幸福が…ゆれる


※18才時、ついに家出をした。着の身着のまま、無一文でたどり着いた横浜中華街のお店で住み込みで働く。働きながら渡欧を期していたが、実はそのお店での充実した日々こそが幸福だったのだと、その時はまったく気づかなかった。あの死んだようだった高校生時の暮らしから、ケンカあり、多くの人との出会いあり、また俺を拾ってくれた中華飯店のママさん始め、美しい女性たちの出会いがあって、俺はすでに充分更生していたのだった。それを自覚し得ず、お店のシャンデリアの輝きにいたずらに渡欧ばかりを期していたとは…。(再度。ママさんの恩をかえりみることもなくだ!)


            【パリを思わすような素敵なシャンデリア】
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