ツンデレ王子の溺愛は二人きりの時に。
恋の妨害、それは優しさ。
朝の教室でスマホを見つめる。
『明日、一緒に帰らない?』
画面に映る言葉は、好きな人からのメッセージ。
え…うそ。
まさか、向こうから誘ってくるなんて…!
嬉しすぎて顔がにやけちゃう…。
ちらっと彼の方を確認するように見る。
するとそれに気づいたのかニコッと笑いかけてくれた。
うわぁぁ!
…かっこよすぎる。
笑いかけてくれた私の好きな人、それはクラスメイトの金城聡一くん。
彼は、みんなに優しくて困っている人がいたらすぐに手を差し伸べるような素敵な人。
顔は誰もが認めるイケメンで、文武両道、おまけに学校の生徒会長まで務めている。
──私が今、恋している人だ。
そんな金城くんの周りにはいつも可愛い女の子達がいるから、完璧な彼に私は相応しくないと思っていた。
けど、最近頑張って私なりに話しかけていたからか、LINEでの会話も増え、ついにはこんなお誘いまで来た。