ツンデレ王子の溺愛は二人きりの時に。

「──俺の言うこと聞かなかった罰。な?」


「...っ~~!」


「はっ...顔真っ赤になってるぞ。ゆでダコみたい」

「ひとこと余計!」


もう!と言ってぷいっと顔を逸らした。


それでもまだ心臓は大きく鼓動していて。


それを紛らわすように立ち上がった。


「ほ、ほんとありがと!あ、あとこれジャケット」


天野が貸してくれたものを返す。


「別に。......ひとりで帰れるか?」

「そんな子供じゃないし...!......でも、今日は本当に...ありがとう」


「ん」


...口数は少ないし、ぶっきらぼうだけど、返事は優しい。



今回のことで、私は天野が良い奴だということを認識した。


いじわるで一言余計な時もあるけれど、きっとそれは優しさの裏返しだ。


そう考えたらあることを思った。


…ツン王子じゃなくて、ツン“デレ“王子じゃない?


他の女子が言ってたことと今回のことを合わせてみた。



うん、そっちの方がぴったりかも。


なんて私は彼のことを思いながら、家に帰った。
< 18 / 48 >

この作品をシェア

pagetop