ツンデレ王子の溺愛は二人きりの時に。

たとえ、嫌われるとしても。

~天野side~


本当は、助けるつもりなんてなかった。


アイツがどうなろうと俺には関係ないし、なるべく面倒なことには関わりたくはない。


だけどなぜか放っておけなくて、いつの間にか蒼井に沢山ひどいことを言っていた。




高校二年になったばかりの春、……俺が、蒼井を気にし始めた頃。


体育の着替え中に男子の間でこんな話が話題になっていた。


「なぁなぁ、新しいクラスで誰が可愛いとかある?」


一人の男子生徒がみんなに聞く。


「ん〜…強いて言うなら春園さんかな。」

「あー分かるわ〜。お姉さんって感じで美人だよなぁ」

「いや、俺は蒼井派だわ。幼い見た目してるけど、ほんと純粋って感じで逆に襲いたくなる」

「蒼井さんもいいよな〜。泣き顔とか見てみたい、ていうか泣かせたい」


気持ち悪い会話が耳に入る。


クラスの女子をそんな目で見てるとか、ほんとどういう神経してんだか。


「なぁ、金城はどう思う?」


すると中心になって話していた生徒が、校内でモテモテで有名な金城総一に声をかけた。
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