ツンデレ王子の溺愛は二人きりの時に。
それ以来、俺は蒼井のことをよく見るようになった。
癖毛が目立つ胸あたりまで伸びている髪に、まるまるとした大きな目。
それに加えて身長も小さいから、初めてちゃんと見た時は確かに幼い印象を受けた。
クラスでは明るくて元気、何か頼まれたら一生懸命やろうとする姿勢で健気な雰囲気。
...確かに純粋そう。
でも自分が困ってる時はあんまり他の人に頼らないようで、黒板の上あたりを頑張って消そうとしている姿には内心、笑ってしまった。
...だって、ぴょんぴょん飛び跳ねながら消してるから。
でも流石に見ていて、可哀想だなと思って代わりにやろうか?と声をかけた。
「いいよ全然。あともうちょっとだし」
「人に頼った方が早いだろ。背小さいんだから。ほら、貸せ」
やっべ。
...つい、自分の悪い癖で余計なことを言ってしまった。
純粋な奴だから、こういうことを真に受けて落ち込みそうだと思ったけど
「は?平均は無いけど、そこまで小さくないし!てか、椅子使えば届くからいい!」
そう言って自分の席にいって椅子を持ってきた。