ツンデレ王子の溺愛は二人きりの時に。
蒼井の顔は真っ赤で、ついゆでダコみたいだとも言ってしまった。
「一言余計!」
さっきとは違って勢いよく突っ込む蒼井。
少し元気になったみたいで安心した。
...ほんと、こうでないと逆に調子が狂ってしまう。
その後、蒼井はもう大丈夫と言っていたけれど少し心配で。
今まであんなに好きだった人が、最低な奴だと知ってショックだろうに。
あのまま彼女は帰ったが、俺は一人まだ教室に残っていた。
……俺、いつからこんなに蒼井に対して一生懸命になってたんだっけ。
改めて、自分が彼女のことばかり考えていることを実感した。
別に好きとか、そんなんじゃない…はず。
本当にただ蒼井が危なっかしいから、保護者的な目線で見てるだけ、そう違いない。
「…よく分かんね」
そう呟いて自分も教室から去った。