ツンデレ王子の溺愛は二人きりの時に。
「──これが最後だ。今日、金城と帰るな」
「嫌だ」
すぐに返事をした。
毎回毎回、同じことばかり。
どうして天野は、私が何度も否定しているのに言い続けてくるの?
その神経が分かんない。
「…俺は忠告した。後で泣いても知らないからな」
「泣くなんてありえないから」
嬉しくて泣いてしまうことはあるかもしれないけど。
それにしても本当に天野の言葉は、意味のわからないことが多い。
「黙っててよ、ほんと。もうこれ以上首突っ込んでこないで!」
少しばかり強く言ってしまった。
「……」
すると、黙り出した天野。
ようやく分かったか!
私は天野の言うことなんて、ぜっったいに聞かない。
だって天野に指図される筋合いはないし、自分の幸せのためだもん。
天野の方を向くのをやめ、私は授業が始まるまで自分の机に突っ伏した。