Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
心の内でスイーツプリンスと呼んでいるのには理由がある。彼は貴公子を思わせる魅力的な容貌をしていた。くっきりとした二重瞼に茶色がかった色素の薄い瞳。つるりとした肌とシャープに尖った顎の形が素敵だ。
スーツの内ポケットに触れてスイーツプリンスが「あ」と呟いた。思ったところにスマホが無かったようで、ズボンのポケットをパタパタとはたいている。想乃は彼のそんな仕草を見つめて待った。
緩めのスパイラルパーマをあてた艶のある黒髪。バックをツーブロックに刈り上げ、爽やかでかっこいい印象を受ける。前髪の根元をふわっと浮かせた流行りのコンマバングも、とても良く似合っている。
「ごめんね」と微笑み、彼が取り出したスマホを操作する。照れた口元の右下には小さな黒子があり、それすらも魅力的で思わずうっとりしてしまう。
いつも甘いデザートとカウンターコーヒーの組み合わせ。支払いはキャッシュレスで、彼が差し出すスマホのバーコードをピッと読み取るだけ。「ありがとう」と言って支払いを済ませる彼と一瞬だけ目を合わせる。想乃は「ありがとうございました」と再度お辞儀をした。
スーツの内ポケットに触れてスイーツプリンスが「あ」と呟いた。思ったところにスマホが無かったようで、ズボンのポケットをパタパタとはたいている。想乃は彼のそんな仕草を見つめて待った。
緩めのスパイラルパーマをあてた艶のある黒髪。バックをツーブロックに刈り上げ、爽やかでかっこいい印象を受ける。前髪の根元をふわっと浮かせた流行りのコンマバングも、とても良く似合っている。
「ごめんね」と微笑み、彼が取り出したスマホを操作する。照れた口元の右下には小さな黒子があり、それすらも魅力的で思わずうっとりしてしまう。
いつも甘いデザートとカウンターコーヒーの組み合わせ。支払いはキャッシュレスで、彼が差し出すスマホのバーコードをピッと読み取るだけ。「ありがとう」と言って支払いを済ませる彼と一瞬だけ目を合わせる。想乃は「ありがとうございました」と再度お辞儀をした。