Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
 彼が差し出した手に右手を重ねる。自分よりも一回り大きな手と握手する。

「よろしく頼むね、想乃」

 契約書にあった第三条の1を思い出し、想乃はこくりと頷いた。

「はい。お願いします。け、慧弥さん」
「よろしい」

 そう言って並樹、もとい、慧弥は満足そうに笑った。
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