絶対王者の東くんが私を所望しています。


金髪にインナーだけ黒を残したなんとも不思議な髪色

それに昔はなかった左耳のピアス
おまけに腕やら目の上についた痣


こうして見るといかにも不良ですって感じなのに

どうして少し前までの私は自由な校風なんだなぁとか、男の子って怪我が多いって言うよねぇ、なんて呑気なことを考えていたんだろう



あの時ちゃんと考えていたらこんなことにならなかったのに………



「明日がそんなに不安か?」



「え!?えっ…と、ううん大丈夫…」



いつの間にか出ていたらしいため息にお兄ちゃんの顔が曇る



「心配すんな、琉音が心配してるようなことは起きねぇから」



「そ、そうなの?どうして…?」



「…………お、大人の事情って奴だよ」



なんだか、お兄ちゃんの様子がおかしい…

だって昨日まであれほど“どんな目にあうかわかってんのか!?”って騒いでいたのに


一体どういうことだろう

それに、大人の事情って私も同い年なんだよ?
< 7 / 38 >

この作品をシェア

pagetop