絶対王者の東くんが私を所望しています。
金髪にインナーだけ黒を残したなんとも不思議な髪色
それに昔はなかった左耳のピアス
おまけに腕やら目の上についた痣
こうして見るといかにも不良ですって感じなのに
どうして少し前までの私は自由な校風なんだなぁとか、男の子って怪我が多いって言うよねぇ、なんて呑気なことを考えていたんだろう
あの時ちゃんと考えていたらこんなことにならなかったのに………
「明日がそんなに不安か?」
「え!?えっ…と、ううん大丈夫…」
いつの間にか出ていたらしいため息にお兄ちゃんの顔が曇る
「心配すんな、琉音が心配してるようなことは起きねぇから」
「そ、そうなの?どうして…?」
「…………お、大人の事情って奴だよ」
なんだか、お兄ちゃんの様子がおかしい…
だって昨日まであれほど“どんな目にあうかわかってんのか!?”って騒いでいたのに
一体どういうことだろう
それに、大人の事情って私も同い年なんだよ?