この結婚に愛はないと思っていたのに、懐妊してから御曹司旦那様にめちゃめちゃに愛されてます♡
はじめまして、悠人様。
「鞠花、お前はひとりの人生じゃない。お前は亜里紀家の娘なんだ。結婚だって、家のために決められた結婚をしてくれ。」
「わかっていますわ、お父様。私が家のためになるのならば、なんだっていたします。相手は狭山家のご令息様なのですよね?
 良い縁談ですわ。」
「あぁ、頼むぞ。先方の相手は、ものすごい美少年らしい。きっと孫は、相当な美形であろうな。楽しみだ。」

*****

政略結婚。それは、家同士の利益のためだけに、望まれる結婚。愛なんて甘ったるい言葉なんて、1欠片も存在はしない。
そして、相手に恋をし、相手を愛することもない。それは相手もきっと、同じであろう。
私は、この結婚で、これまで大切に大切に育ててもらった、亜里紀家に恩を返さなければならないのだ。
想いなんて、これっぽっちも、いりやしない。

私は、この結婚に対し、そんな感情しか抱いていなかった。

これから、そんな考えをぶち壊すようなことになるとも知らずに。
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