ファースト・ラブ
高校2年生 6月 、恋。
文化祭準備真っ只中の6月。
「ねえ、俊先輩かっこよくない?」
今日も19時近くまで文化祭の準備をした。帰り道。3人で帰ってると、ユイが私とミカを振り返って言う。
「うん、かっこいい!最近さ、文化祭準備でよく見かけるけど、めっちゃ優しいもん!」
カホが前のめりになる。
俊先輩は、バスケ部の3年生らしい。先輩にもバスケ部にも疎い私は、もちろん、俊先輩を知らなかった。
かっこよくて、誰にでも優しくて、女の子と仲良くて、運動神経も良い___2人が、俊先輩の話をしてるのを聞きながら、私は頭の中で勝手にその顔を想像していた。そんな理想の人、本当に存在するのかなあってぼんやり思った。