ファースト・ラブ
8月、先輩の隣
夏休み初日。
ガラ、と教室のドアを開ける。
補習開始3分前。教室を一瞥して、やっぱりいないかあ〜。とため息をつく。大体、丈先輩がこの補習を選択するわけない。わざわざ夏休みに学校に来るほどめんどくさいことはないのだ。
1番後ろの席に座って、始まるのを待つ。
クーラーの効いた夏休みの教室。窓の外を眺める。グラウンドで走り回るバスケ部と真っ白な入道雲。外から微かに蝉の鳴き声が聞こえる。
机をトントン、ってされて反射的に振り返る。
振り返ると、それは、俊先輩だった。
びっくりして、眠気がすべて吹っ飛んだ。
「なんでここにいんの?」
俊先輩がそのままそこに椅子を引いて座る。
「赤点取って…」
フフって俊先輩が笑う。
「勉強さぼった?笑」
「はい…あんま集中できなくて、」
あなたのせいです。と、心の中で付け足した。
「俊先輩は?」
「俺も数学苦手なんだよね。」わざといたずらっぽく笑って付け足す。「あ、赤点取った訳じゃないよ。」
「須藤先輩に教えてもらえばいいのに!」
俊先輩が、心底嫌そうなをする。「嫌だわそんなの。あいつ怖いんだもん。」
ガラ、と教室のドアを開ける。
補習開始3分前。教室を一瞥して、やっぱりいないかあ〜。とため息をつく。大体、丈先輩がこの補習を選択するわけない。わざわざ夏休みに学校に来るほどめんどくさいことはないのだ。
1番後ろの席に座って、始まるのを待つ。
クーラーの効いた夏休みの教室。窓の外を眺める。グラウンドで走り回るバスケ部と真っ白な入道雲。外から微かに蝉の鳴き声が聞こえる。
机をトントン、ってされて反射的に振り返る。
振り返ると、それは、俊先輩だった。
びっくりして、眠気がすべて吹っ飛んだ。
「なんでここにいんの?」
俊先輩がそのままそこに椅子を引いて座る。
「赤点取って…」
フフって俊先輩が笑う。
「勉強さぼった?笑」
「はい…あんま集中できなくて、」
あなたのせいです。と、心の中で付け足した。
「俊先輩は?」
「俺も数学苦手なんだよね。」わざといたずらっぽく笑って付け足す。「あ、赤点取った訳じゃないよ。」
「須藤先輩に教えてもらえばいいのに!」
俊先輩が、心底嫌そうなをする。「嫌だわそんなの。あいつ怖いんだもん。」