ファースト・ラブ
俊先輩と一緒に帰れるなんて、夢みたい。
緊張して、全然話せない。でも、俊先輩がずっと話を振ってくれて沈黙にならずに済んだ。
何も知らないひとが見たら、今私と俊先輩はカップルに見えるんだろうか。一瞬でも、誰かも目にそう映っていたらいいな。
途中でコンビニに寄る。
俊先輩が、コンビニの冷凍庫からアイスを選んで取り出す。
それに手を伸ばす。
「ハイ」
「えっ何?笑」
「先輩、受験生なんで、奢ります。」
「どうゆうこと?笑」
ん、って手を差し出す。
「いやいや後輩に奢ってもらうなんてそんな」
「いいから!」
2人分のアイスをレジに持っていく。
ピ、ってレジの音。2個で520円。
「ご馳走様です…」
俊先輩が、うやうやしく、伺うようにお礼を言う。
「はい。」
私が会計が終わったアイスを手渡すと、ふふって俊先輩が笑った。
ガードレールに寄りかかって、アイスを食べる。