ファースト・ラブ
開会式が終わった後、急いで3年生のバスケ混合の試合のトーナメント表を見に行く。
勝ち抜けば、全部で三試合。一試合目と二試合目は、私が出るソフトボールの試合と時間が被っていた。見に行けるのは、三試合目・決勝戦だけだった。
トーナメント表の前で手を合わせる。どうか、先輩のクラスが、決勝戦まで残りますように…。自分のクラスの勝敗そっちのけで、先輩のクラスの勝利を願った。
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「ねえねえ、お弁当体育館で食べようよ!こういう時じゃないと、体育館で食べる機会なくない?」
ミカの提案で、体育館に向かう。
昼休みになり、体育館に着くと、前の試合が3年の試合だったらしく、3年生の人だかりができていた。人だかりの中に俊先輩がいた。たくさん人がいる中から一瞬で俊先輩を見つけてしまうくらい、私は俊先輩が好きだ。
俊先輩は、人だかりの中心にいて、全然こちらの気配に気づかない。一瞬だけ、視線がこっちを向いたけれど、私のことは目に留まる様子もなく、そのまま、クラスの人たちと体育館を出て行ってしまった。
こんなんで告白なんか、できる訳ない。