ファースト・ラブ
触れられたマフラーごと、私も大切にされた気がして、心がほんのり暖かくなった。
人を好きになるって、こういう感じなんだ。
今まで好きになった人はいるはずなのに、今、初めて人を好きになったような、そんな不思議な感覚。
それはきっと、この人が、人の愛し方を知っている人だからだ、と思った。
この人を好きになって良かった。
あなたが教えてくれた人の愛し方を、私はずっと覚えていようと思った。
「好き、です。」
私は俊くんのことが、やっぱり好きみたいです。
「俺も。」
俊くんが私の手を握る。「ひまを置いて、卒業したくない。」
「まだ12月だよ。」
「もう12月だよ。」
俊くんが、すん、て鼻で空気を吸う。
「もう一年、ひまと一緒に高校生したかった。ひまと同じクラスになってみたかったな。」
「一緒に授業受けたよね、夏休み」
「あったな、そんなこと。笑 楽しかったな」
「楽しかったね。」
もうすぐ冬休み。冬休みが明ければ、受験はもうすぐそこ。3年生は自由登校になって、毎日会えなくなるんだろうな。
こんな当たり前の日々も、もうあと数えられるくらいしかない。
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人を好きになるって、こういう感じなんだ。
今まで好きになった人はいるはずなのに、今、初めて人を好きになったような、そんな不思議な感覚。
それはきっと、この人が、人の愛し方を知っている人だからだ、と思った。
この人を好きになって良かった。
あなたが教えてくれた人の愛し方を、私はずっと覚えていようと思った。
「好き、です。」
私は俊くんのことが、やっぱり好きみたいです。
「俺も。」
俊くんが私の手を握る。「ひまを置いて、卒業したくない。」
「まだ12月だよ。」
「もう12月だよ。」
俊くんが、すん、て鼻で空気を吸う。
「もう一年、ひまと一緒に高校生したかった。ひまと同じクラスになってみたかったな。」
「一緒に授業受けたよね、夏休み」
「あったな、そんなこと。笑 楽しかったな」
「楽しかったね。」
もうすぐ冬休み。冬休みが明ければ、受験はもうすぐそこ。3年生は自由登校になって、毎日会えなくなるんだろうな。
こんな当たり前の日々も、もうあと数えられるくらいしかない。
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