ファースト・ラブ

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卒業式当日。

卒業生が入場してくるのを在校生として見守る。

綾先輩と、須藤先輩と、それから、俊くん。

明日からみんなもういないんだと思うと、その姿を見て入場から泣いた。


卒業式のあと、ホームルーム後。

俊くんたちの教室にミカとユイと向かう。

「サインください！」
「サイン！？」
行くと、俊くんが下級生にサインを求められていた。
綾先輩は、既に両手にたくさんの花束を抱えている。
廊下では、須藤先輩とツーショを撮るための女子たち(全学年)の列ができていた。文化祭の模擬店を彷彿とさせるようなその光景に、ミカがアトラクションか！とつっこんでいる。

もう私は先輩たちの人望の厚さを改めて目の前にして、涙が止まらなかった。というより、入場の時から生まれてこの方一日こんな泣いたことはないというくらいにずっと泣いている。