ファースト・ラブ
帰り道。
「こうやって2人で帰るの久しぶりだね。」
「うん」
久しぶりにして、最後だ。
「もう泣きすぎだって」
俊くんがさっきもらったプレゼントのひとつのハンカチを取り出して、私の顔を拭いた。
「せっかく貰ったやつなのに、勿体な…ぐすッ」
「いいよ別に。あーあ、もうこれ明日目腫れるな。笑」
私と目線を合わせる様にして顔を覗き込んできて笑う。
「これ、さっき渡せなかったから。」
差し出された、第二ボタン。
「これだけは死守した。笑」
「うん、ありがとう。」
「明日から毎日は会えなくなるけど、」
「うん、」
「最後の方は、受験であまり遊べなかったけど、」
「うん、」
「会おうと思えばいつでも会えるから」
心配しないでいいよ。
俊くんが、私の頭をポン、と撫でる。
「うん。」
俊くんから貰ったボタンをギュッと握る。
「これからも大好きだよ。」
俊くんが、建物の影に私を引き寄せ、そっとキスをした。
イチョウが舞っていたあの日を思い出す。
この日は、桜の花びらが舞っていた。鼻をくすぐる、春の匂い。
今日何度目かわからない涙が頬を伝う。
「学生時代の恋を大切にしろ」
いつかの数学の授業で吉沢先生が言った言葉を思い出す。
今はその意味が、わからないけど、学生時代にこの恋に出会えた私はきっと、幸せなんだろう。
離れても、俺らはきっと大丈夫。
俊くんが言って、私の好きなあの笑顔で笑った。
「こうやって2人で帰るの久しぶりだね。」
「うん」
久しぶりにして、最後だ。
「もう泣きすぎだって」
俊くんがさっきもらったプレゼントのひとつのハンカチを取り出して、私の顔を拭いた。
「せっかく貰ったやつなのに、勿体な…ぐすッ」
「いいよ別に。あーあ、もうこれ明日目腫れるな。笑」
私と目線を合わせる様にして顔を覗き込んできて笑う。
「これ、さっき渡せなかったから。」
差し出された、第二ボタン。
「これだけは死守した。笑」
「うん、ありがとう。」
「明日から毎日は会えなくなるけど、」
「うん、」
「最後の方は、受験であまり遊べなかったけど、」
「うん、」
「会おうと思えばいつでも会えるから」
心配しないでいいよ。
俊くんが、私の頭をポン、と撫でる。
「うん。」
俊くんから貰ったボタンをギュッと握る。
「これからも大好きだよ。」
俊くんが、建物の影に私を引き寄せ、そっとキスをした。
イチョウが舞っていたあの日を思い出す。
この日は、桜の花びらが舞っていた。鼻をくすぐる、春の匂い。
今日何度目かわからない涙が頬を伝う。
「学生時代の恋を大切にしろ」
いつかの数学の授業で吉沢先生が言った言葉を思い出す。
今はその意味が、わからないけど、学生時代にこの恋に出会えた私はきっと、幸せなんだろう。
離れても、俺らはきっと大丈夫。
俊くんが言って、私の好きなあの笑顔で笑った。