ファースト・ラブ
初夏。
文化祭の準備の時期がやってきた。

去年のこの日だったっけ、俊くんと初めて喋ったの。

2-2の教室の前に来る。
去年みたいに男子が廊下を駆け回り、女の子がひとりで準備をしていた。

あっ、思わず声が漏れる。

その子の上履きの紐が、私と同じ水色。

去年の懐かしい光景がフラッシュバックして来て、笑みが溢れる。
私のブレザーのポケット中には、あの日貰った第二ボタン。
ポケットから取り出して、空にかざしてみる。


俊くんが3年間を共にしたそれは、今、私の手の中で光っている。
これは、私の宝物。

私の大切な、大切な、


初恋。






ーーーーーーーーーーーーー『ファースト・ラブ』(完)

-
< 61 / 61 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

プロポーズ

総文字数/6,653

恋愛(純愛)24ページ

表紙を見る
はなまる日記

総文字数/763

その他1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop